目から鱗の尺八上達術 −あなたの努力は報われていますか?−

【第45回】基礎的練習法12 スケール練習@ 2013年9月(320)号

「ロツレチ」だけで

 今月は簡単な指の訓練です。良い音を出すためには指孔を正確にコントロールすることがとても重要です。尺八はたった5つの孔を操作しながら様々な音を作り出して演奏する楽器です。まずはこの5つの孔の操作がしっかりとできるようにしておかなければなりません。
 左の五線譜を見ると何か難しいことをやるように感じてしまう人が少なくないようですが、よーく見ると、尺八の孔の開閉だけでできるいわゆる「ロツレチ」しか使っていません。しかも、必ず隣り合った音になっています。
 譜例@は同じようなことがズラーっと並んでいますが、同じパターンで始まりの音をロ、ツ、レ、チと指孔の順番に変えて行くだけです。なので、格段の最初の音だけを見て行くとロ、ツ、レ、チと一つずつ上がって行くのがわかります。10行目からは下降の音形です。五線譜の下にロツレを振ってはいますが、次も同じだったり、パターンがそろそろわかっただろうと思うようなところは省略しています。どうしてもわからないという人は自分で書き足して下さい。

同じパターンでも…

 この練習は同じようなパターンでも、始まる音によっては沢山の指を動かさなければならないところや、音は上がるのに指はさっき低い音で使った指の使い方でオクターブ高く吹くというようなところが入り交じります。こうしたところでは、同じパターンのはずなのにテンポが乱れたり、一瞬躊躇してしまうものです。そういった箇所を自覚して反復練習し、スラスラと演奏できるようにして下さい。安定的に5つの孔と5本の指(実際には4つの孔と4本の指)を操ることができるようにするための訓練です。
 この練習の場合には、楽譜にかじりつくのではなく、次々に音を予想して遊び感覚で演奏します。できれば覚えてしまいましょう。覚える場合には「ロツレチ」とか「レファソラ」とかいちいち頭の中で楽譜を唱えるのではなく、ダイレクトに音を想像するのが良いと思います。
 一旦覚えてスラスラとできるようになったら、今度は一音一音楽譜を見ながらやってみましょう。1オクターブの中で5つの音しか使っていませんから、段々とその5つが何処にあるのかが見えるようになってくるでしょう。また、こういったパターンを予想で吹く練習は、頭の中で与えられた楽譜を咀嚼、理解して自分なりの音楽として表現するための基礎でもあり、またアドリブ(即興演奏)の基本にもなります。