目から鱗の尺八上達術 −あなたの努力は報われていますか?−

【第47回】基礎的練習法14 指孔の開閉練習 2013年11月(322)号

打楽器のように!

 尺八の音階を身体にしみこませる訓練、如何ですか? 今回は同じ指孔の開閉ですが、2個単位で行う訓練です。
 指孔一つだけの開閉でもしっかり開け閉めできないと音の移り変わりの瞬間が曖昧になり、また、ひどい場合には音が出なくなったり、おかしな音が出てしまいます。同時に開閉されているかどうかは、歌口を口からはなして、指孔を開閉します。その時に軽快にポンポンと音がしていたら、指孔の周囲が同時に開閉されています。ポンポンと言わなかったり、かすかに鳴っているような鳴っていないような曖昧な感じでしたら、もう一息です。
 力で押さえ付けるのではなく、また、指先で操作するのでもなく、指の付け根を動かす感じで付け根から先は一つの部品のように扱います。打楽器のようにポンポンと音が出るように、訓練と思わず、遊び感覚でやって見ましょう。

ブレスの状態を固定して

 一つの指孔でも実は大変なのですが、これが二つとなるとなかなか大変です。一つ一つの音は良く出るようになったのに、曲を吹くと音が出なくなったりする原因の一つに、こうした開閉時の不具合があります。
 まずはやってみましょう。(譜例@)

 一つ一つの音をそれ専用の吹き方で鳴らしていると、こういった動きがやりづらいだろうと思います。まずはそれぞれのセンテンスの最初の音を納得行く音で鳴らし、その鳴らし方で、指だけ動かすように練習してみて下さい。特に乙のロに思い入れがある人が多いと思いますが、この練習の場合には、レをならしたついでにロを鳴らす気持で、余りロにこだわらずにならしましょう。
 ブレスの状態を固定して、指孔だけを動かしてください。まずは2本の指が同時に指孔二つを開閉していかどうか?この問題だけに集中します。

 二本、指を動かしてできる音型は他にもあります、例えば左記の例です。(譜例A)
 これはブレスのコントロールや身体の中の変化も伴いますが、全部の音を同じ表情で鳴らすようにしましょう。乙のロは元気良かったのに、最後の甲のハが貧弱ではいけません。最初から最後まで同じ表情で鳴るように、ブレスを調整してください。
 こういった訓練はそれぞれの音に、必要にして十分な条件で鳴らす訓練になります。一つ一つの音はそれなりに良い音で鳴らせても、つぎの音に移った時に身体の状態の変化がついて行かないなどの問題の解決になります。

ゆっくりから徐々に速く

 今回の最後に左記の練習を。(譜例B)

 一つ一つの音を正確に出しながら、徐々に速度を上げて行きましょう。どれかの音が聞こえなかったり、小さくならないように、そして音の移り変わりが曖昧にならないように、ゆっくりから少しずつ練習します。決して早く演奏することが目的ではなく、「正確に、確実に」です。