【新】目から鱗の尺八上達術 −あなたの努力は報われていますか?−

【第6回】音が生まれる瞬間を確認する 2020年1月(396)号


 前回までの方法で音が出せたでしょうか? 今回は音が出たという前提の練習になります。前回紹介した音の時間的な変化のうち、音の立ち上がり部分(アタック)についてみて行きたいと思います。

口を開けたまま息を吐く

 口の開け方はストローを吸った時のような顔の状態を保ったまま、口の両端を閉じようとする力をそのままにして口を息の出し入れが自由になる程度に開けます。口を開けたまま息を吐くとあっという間になくなってしまうので、恐怖心からかついつい口を閉じたくなるようです。ここは我慢して体の力を抜いてため息のように吐き出します。
 これが意外と難しいのです。吐き出すのに1秒も掛からないでしょう、一瞬でなくなるのが正解です。息を出すときに喉を絞めて空気が出る音を作ることはしません。脱力してなるべく音が出ないようにはき出します。
 もう一つ、口を大きく開けたまま、自然に呼吸してみます。この場合にはゆっくりと静かに息が出たり入ったりします。
 この二つが出来ると、一瞬にして息を吐ききることと、ゆっくり出し入れすることが出来たことになります。これも特別に訓練しなくても出来ることです。普段の呼吸でやっているはずです。たぶん、この二つの息の使い方の間の出し入れ、つまり、一瞬にして吐き出すことと、ゆっくり吐き出すことの間の出し方も出来ますね。

息を吐きながら口の開き方を小さくしていく

 この場合には2秒程度でなくなるような吐き方、つまりゆっくりと1、2、3と数えるような吐き方にします。 今度は尺八を口に当てて同じことをやって見ます。 最初は口の開きが大きいので、息が出る音だけです(この場合に喉を絞めて喉から息が漏れるような音を出さないこと)。尺八を鳴らせる人は途中から音が出るでしょう。
 この練習は音を出す練習ではなく、息の音しかない状態から、音が生まれる瞬間を見つける練習です。なので、音が鳴ってしまったら終わりにして、もう一度鳴らない状態から鳴り始めるところまでを何度も何度も繰り返して、音が生まれる瞬間を確認します。
 この「音が生まれる瞬間」つまり口の開きと息の使い方で音が生まれる瞬間を自由にコントロール出来るようになった訳です。音楽的なスタートになります。音の立ち上がりとはこの音が生まれる瞬間から目的の音量に達するまでの時間を言います。
 これは一定ではなく、速ければ良いということでもなく、表情に合わせて自由にコントロールするべきものです。これが出来ないうちにロングトーンとか曲を吹く練習をしても、あまり効果はありません。やってもかまいませんが、必ずここに立ち戻ってください。

先に口を作らない

 口の形は吐き出す空気とともに形作られますので、先に口をきゅっと閉じるように作ってはいけません。必ず空気を吐き出すと同時にその空気の束を挟むようにします。この吐き出しながら空気を挟む時間的変化をゆっくりにしたり、速くしたり、ときには一瞬で行い素早い音の立ちがりを作り出します。これも映像を見ていただいた方がわかりやすいかもしれません。
 アタックというとなんだか素早い感じがしますが、音の立ち上がりはいろいろです。ゆっくりと立ち上がることもありますし、素早いときもあります。このコントロールがまずは上手い下手の第一印象を決めますので、俺はプロだ!と思っている人も是非、密かに練習してください(笑)。
 今回もYouTubeに動画をアップしました。「尺八上達術」で検索してご覧ください!