尺八上達・虎の巻

スタジオレッスン

最近一人ですが渡しのスタジオでレコーディングしながらレッスンを受けている方がいます。
現在のレッスン曲は「雪の華」です。
都山流を少しやっていたという方でしたが、どうしても演奏できるようになりたいと言うので、これも僕のレッスンの実験材料として取り組ませていただきました。

このときに考えたことは、みんなカラオケでは結構難易度の高い曲を(僕はそう思う)を平気で歌っています。きっとそういう人も最初に楽譜を見せたら歌えないだろうなといつも思います。

なので、この方にもあまり楽譜を意識せずに耳で覚えることを進めました。
細かなシンコペーションが羅列している曲なので、楽譜を分析して、どの音がどこで入るなんて考えるとできないだろうと思いました。
まずよく聞いて覚える、次にそれは楽譜的にはこう書くのか・・・と思えば良いと・・・・

特に「雪の華」はCD「Essence Again」に僕の演奏で入っていますから、何度も聞くことができます。
そしてそのマイナスワンもあるので練習は比較的やりやすかったようで、とそれらしく演奏できるまでに時間は掛かりませんでした。

細かなところは歌詞を書いて・・・・

そうこれは意外と効果的です。
言葉にすると複雑な楽譜の書き方も「こういう感じか・・・」と理解しやすいのです。

ある程度音が出る人にポップスを教えるときの方法としては、こういった方法が有効と言うことがわかりました。

でも、人前で演奏するにはちょっとな〜〜

そこで、自分の演奏がどんなものか?客観的に聞いてもらうのも良いだろうと思いついて、スタジオにお連れしてマイナスワンに合わせて録音をしてあげたわけです。

じぶんの音がスタジオ録音されて、リバーブや音圧処理が施され、嬉しそうな反面「いやひどい演奏ですね」とご自分で発言。
そう、録音すると僕でも自分の演奏は許せません。何度もやり直します。

で、この方は何を言い出したか?というと、自宅でも簡単に録音できないか?
と言うことでした。

それでおすすめしたのが邦楽ジャーナルでも紹介した機材です。
あの記事は実はこの方がモデルで書いたものです。

この方はその機材を手に入れました。
次に来たときの上達ぶりは驚くほどでした。
その感想を聞きました。
「今までもオーディオコンポで再生した音に合わせて練習していましたが、録音機材が来てからはヘッドフォンで練習するので、ものすごく集中していて、やり直しも思ったところからできるので、知らず知らず何時間も練習するようになりました。しかも一回一回聞けるので、次はこうしようとか・・・」
わかります、そうなんです、自分でレコーディングしてCDを作るまでやっている自分もそうなんです。
気になることばかり、何度も何度もやり直します、それが練習なんですね。

スタジオレッスンの特異性

スタジオではマイナスワンを作ったときに元データがあります。
それはすべての楽器がばらばらに入っており、しかも基準にしたクリックまで残っています。
この方にはそれを利用して、つまり僕がCDを制作しているときの環境で、僕の代わりに尺八を吹くという体験をしてもらいました。
「クリックがあるとやりやすい」開口一番こう言いました。
そうですよね、スタジオ録音では必ずクリック(メトロノーム音)が入っています。
思い込みで早くなったり遅くなったり、本物のプロはそんなこと無いのでしょうけれど、それでも一応聞いています。
クリックを聞きながら演奏したこの方の演奏は、よりかっこよくなりました。

こんな経験で邦楽ジャーナルに連載を始めたのが「遠TONE音を奏でる」です。
自宅をスタジオにして好きな曲を思いっきり練習して上達できる、そんなことに少しでも役に立てれば・・・
自分で提供できる曲は自分の曲なので遠TONE音に限っていますが、それでも各楽器の音がばらばらに入った音源まで提供してできるだ、スタジオ気分を味わってもらいたい・・・・そんな気持ちで毎月新規録音をしています。
こんな予定でCDは作らないので、以外とマルチ録音データが残ったいる曲は少ないのです。
これまでマイナスワンになっていない曲もやり直して・・・・