泉州尺八工房








 

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泉州尺八工房
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歌口研究 1

泉州尺八工房の歌口は他社のものといったい何処が違うのか?

泉州尺八工房は歌口の研究で有名だ。では泉州尺八工房の歌口は
他社のものといったい何処が違うのか?ズバリ聞いてみることにした。

  写真1
泉州尺八工房の歌口
他メーカーの歌口
開口部が正円形の歌口

司会: ズバリ何処が違うのでしょうか?
三塚: 何処が違うかの前に一般的な歌口とはどんなものかを把握しないといけませんよね。一般的な歌口ってどんなのですか?
司会: あっ、なるほど。そう言われるとなんと言っていいのか。
三塚: いきなりの先制攻撃でしたけど、まあここにいろいろなメーカーの楽器かあるので見てみましょうか?(写真1)

 

三塚: まず上から覗くように見たときの開口部の形を見て下さい、外形はいろいろありますが、内径はどれも「丸」ですね。泉州工房のはどうでしょう。
司会: 結構四角い感じですね、なるほど吹き易さの秘密はここにあったんですね?
三塚: これも秘密の一つですが、四角いから「良い」ではなくて「何故そうなったのか」が大切じゃないですか?何故今まで「丸」かったのでしょうね?
司会: ・・・・・?
三塚: 誰も明確な答えを知らないんですよ「昔からそうだから」程度ですね(※1)。
「何も考えずに」行われてきたところに疑問を投げかけることから「研究」がはじまるんですよ。なんて言うと偉そうですけど、実は始めおかしな顔して演奏するのが嫌で、普通の顔をしているところに歌口を当ててみながらいろいろいじくり回しているうちに開口部の両サイドをビニールテープで塞ぐと普通の顔をしていても演奏が出来る、という経験があったんです。その辺がヒントで、本当に真四角にしてみたこともあります。
司会: その真四角な歌口はどうだったんですか?
三塚: 実際には内径は円柱のようなものなので、歌口だけ真四角というのは無理ですが(※2)、びっくりする程良くはないですね、だいたい当てた感じが良くなかったですね。ということで今使っている歌口開口部の独特な形状も「経験」で作ったものです、実はこの開口部と共に外輪の形も決めてあります。
司会: えっ、でも外側は自然の竹だから決めると言っても無理ではないですか?
三塚: でも外側は切りっぱなしではなくてなめらかに削ってありますよね、その切り口の平らな部分の形はみんな同じに出来ます。(図1)


図1
竹断面の中心から各部のサイズを決めることで、外形に左右されることなく同じ感触の歌口が得られる

 

 

三塚: 太い竹はたくさん削ることになりますし、細い物は極端な場合付け足すこともありますよ。(写真2)
大切なのは竹の中心から全て計測して作って行くことですね、ですから太い竹は削る部分も多くなりますから舌面も当然大きくなります。(写真3)

  写真2     写真3
顎当たりを盛った例
太い竹の場合、舌面が大きくなる
<舌面……黒い歌口補強材の入っている面>

三塚: このへんの話はこんな小さな誌面じゃ収まらないですよ、ただ言えるのは当工房に来れない人は常に「竹に自分を合わせる」ことしか出来ないわけで、何とかして「自分に竹を合わせる」体制を作らないことには底辺の拡大なんて出来ないですよね。手前味噌で申し訳ないんですがなかなか鳴らせない人を「鳴るようにする」技術はきっと世界一ですよ、この工房は。はやく音楽を演奏したい人も音楽を教えたい先生も、音楽に入る前のクリニックのような感覚でこの工房を利用してくれると嬉しいですね。




※1
尺八は元々自然の形状を利用して作られていた、歌口近辺が20mm程度の内径を持った竹の節を抜いただけの単純な楽器だった、歌口開口部も竹の自然な形状によって様々な形になっていた。近年大量生産をするようになり内部に施した「地」と呼ばれるパテ状の漆を一回で削り取る器具を使うようになると、開口部は円である必要が出てきた。
竹まかせの時代から形状の統一の時代にはなったが、いずれにしても演奏上の人間の立場に立った変化ではなく、あくまで制作上の都合である。

※2
当工房の歌口開口部の形状は四角い特殊な形状になっているが内径は中継ではその断面は円になっている、従って歌口から中継ぎに向かって次第に四角から丸になっているのである。このため大量生産には向かない。

 

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