泉州尺八工房






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歌口研究 2

尺八は「竹の質」なのか「内径」なのか「歌口」なのか?

司会: 今までは尺八の音質は「竹の質」なのか「内部構造」なのかという議論が中心だったところに、歌口を持ち込んでしまって混乱させているように思うのですが?
三塚: 確かにそうかも知れないですね、だけどどんな物でも色々な条件があって「良い」訳で、「何か一つだけ良ければOK」という物は無いでしょう。一時、竹の質は音質に関係あるか?という論議もありましたが、関係無いことはないです。但しその関係が全体のどの程度の割合かが問題で、またその割合を科学的根拠のある数値として表せるかどうか問題なんですが、製作者の立場から言うと関係は強く感じます、ただ当工房でも以前は「関係無い」と言うようにしていました。
司会: 何故ですか?
三塚: 尺八の内部構造自体まだ過渡期で、質による微妙な違いを語る時期ではないと考えていたからです。当時「堅い竹はやっぱり良い音が出ますよね」ということをよく言われていまして、自分たちとしては「竹が堅ければ必ず良い楽器になるとは限らないんだ」ということを何とか言いたかったんですよ。
司会: でも実際には堅い竹が良いわけですね?
三塚:

「実際には」という言葉に引っかかってしまうんですね。今この工房にはたくさんの修理依頼が
来ています。その中には本当に「堅くて立派な」尺八も数多くあります。材質が気に入っているから、なんとか使いたいという方も少なくないです。折角立派な材質なのに「内径が原因」だったり「歌口が原因」だったり様々です。それらの楽器を見ていると結局総じて尺八製造の技術レベルはまだまだ低いと感じるのです。

そういう意味で、竹の質だけの話というのは意味無いように感じていたんですね。製造技術が
もっと高くなって、競うところは材質しかないということで論議できるんならいいんですけど、
もっともっと工夫しなければいけないところばかりなのに、竹質だけを論議するのはそれこそ
「重箱の隅を突っつくような話」だと言うのが我々の共通した見解だったんですよね。

司会: なるほど。では歌口というのはどの程度の・・・・?
三塚: これも何かで関係の度合いが計れるわけではないので何とも言えませんけど、多くの楽器を修理してみてその統計を取ってみるとメーカーによっては内径的にはかなり良くて、問題は歌口だけというメーカーと、内径もダメなら歌口もダメというメーカーがあります。発表しても良いほどのデータがあるんですけど問題あるので今は発表しませんが、これら歌口だけちょっと工夫すればいい楽器を作るメーカーにとっては歌口の比重は絶大ということにはなりますね。

写真1

 

三塚: フルートでは真ん中の部分は一社独占で作っているほど完成した物で、あとは頭部管という歌口の付いた部分で特色をつけているのだと言いますから、尺八もそんな時代が遠くないように感じますよ。(写真1)
司会: ということは内径はかなり統一されてきたと?
三塚: 先ほど三塚が言った「歌口だけどうにかすればいいのにな」と感じるメーカーは多いですし、内径を計ってもある程度の範囲で共通しています。(図1)
資源の有効利用という面でも、歌口の研究と「クリニック」は意義あることではないかと、勝手に思っています。

図1
よく見るこのグラフも「良く鳴る」と思われる尺八の平均値だ。但し手作りの場合、外形が太い楽器と細い楽器とでは指穴の深さ(占める容積)を内径で補正するために同じメーカーでも竹の太さによってグラフのカーブは変わる、型を使った大量生産品は当然皆同じカーブである。
外形が一定しない「竹」を使う以上このようなグラフに「絶対」を求めるのは不可能である、尺八製作者の最低条件はあくまで「演奏できること」本人が「センサー」とならない限り制作は不可能だ。

 

 

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